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森林 健悟; Zhidkov, A. J.*; 佐々木 明; 周藤 佳子; 鈴木 慎悟*
Atomic Collision Research in Japan, No.27, p.1 - 3, 2001/00
短パルス高強度レーザーを数nmの大きさの巨大クラスターに照射することにより高温高密度電子状態を生成することが予測されている。この電子の衝突電離により内殻励起状態を形成し、X線を発生する。特に、クリプトンやゼノンのような高い電子番号の原子のクラスターの場合は、短波長X線が発生し、短波長X線源やX線レーザー源として注目されている。ここでは高温高密度状態でのゼノンイオンの多価イオン及び、内殻励起状態の生成過程に関して考察する。電子温度を数keV,電子密度を10~10/cmとする。考慮した原子過程としては電子衝突励起・電離,自動イオン化,輻射遷移である。この条件のもとでニッケル様ゼノンイオンを初期状態とし、電子衝突で電離し、数100fs後の内殻励起状態などのカルシウム様ゼノンイオンのポピュレーションを計算した。ポピュレーションの密度,温度依存性を調べた。ポピュレーションは密度と比例して増加するが、10cmのとき約100fsで飽和すること、また、温度とともに増加するが、10keVを超えると温度依存性がなくなることがわかった。内殻(1s,2s,2p,3s,3p)電離過程を含む場合と含まない(3d電子だけが電離する)場合を計算した結果、前者のポピュレーションの方が三桁程度大きくなり、高温高密度電子状態では内殻電離過程が多価イオン生成に重要であることを発見した。
吉越 章隆; 寺岡 有殿
Atomic Collision Research in Japan, No.27, p.80 - 82, 2001/00
酸素分子の並進エネルギーを2.9eVに制御した状態でSi(001)-21表面初期酸化状態をSPring-8の軟X線ビームライン(BL23SU)にて実時間光電子分光測定により明らかにした。初期(約35L以下)では、Si酸化状態は観察されず、Si,Si及びSiの急激な増加が観察された。その後、Siが観察されはじめ徐々に増加した。一方、Si,Si及びSiは、減少し、特にSiが大きく減少した。この結果、初期の酸素ドーズ量では表面ダイマーSi原子は4個の酸素原子に囲まれにくいこと、Siが主にSiから変化したものであることが明らかになった。また、膜厚は0.57nmであった。本研究は、Si(001)表面と酸素分子の反応ダイナミクスとして興味深いばかりでなく、熱反応によらない極薄酸化膜形成技術として、ナノテクノロジー技術の分野でも意義が大きいと考える。
寺岡 有殿; 吉越 章隆
Atomic Collision Research in Japan, No.27, p.77 - 79, 2001/00
本報告では昨年から今年にかけて行ったO分子の並進運動エネルギーで誘起されるSi(001)表面の初期酸化反応をシンクロトロン放射光を用いた光電子分光法で解析した結果の一部を述べる。清浄表面に残留HO分子が解離吸着した部分酸化Si(001)表面はO分子によってなかなか酸化されないこと。並進運動エネルギーが1.0eV以上でダイマーSiのバックボンドにO原子が入ること。さらに2.6eV以上ではサブサーフェイスのバックボンドにO原子が入ることを見いだした。Si-2pの光電子分光スペクトルには1eV以下ではおもにSiまでに酸化が止まること、1eV以上でSi,Siまで酸化が進行すること、2.6eV以上ではSiが顕著になることが示され、第1原理計算とほぼ整合する結果が得られた。